ハードディスクのデータ記録盤(プラッタ)を正しく破壊するには

ハードディスク内のデータはプラッタに記録されています

 ハードディスク(HDD)はその名の通り、データを記録する部品に硬いディスクが使用されています。
 ディスクの部品名はプラッタ(Platter)です。
 磁気で記録されるため、プラッタには磁気を保持するためのコーティング(被膜)が付着していますが、その基材となっているのはアルミニウムまたは強化ガラスです。
 主に、3.5インチサイズのHDDにはアルミニウム製、2.5インチサイズのには強化ガラスが使われています。

 3.5インチサイズのHDDは大容量を実現するために、多くの枚数(10枚以上のモデルもあります)を重ねるので薄くしても強度を保つ必要があり、金属のアルミニウムが用いられる傾向にあります。
 2.5インチは容量よりも軽さが重視され、プラッタの枚数は2枚程度(筐体が厚いモデルでも4枚程度)で済むため、強化ガラスが選択される傾向にあります。

プラッタを確実に破壊する方法

 HDD内のプラッタは複数枚ありますので、一番上の1枚だけに傷を付けても他のプラッタが無傷のままだとデータが復元される可能性は高くなってしまいます。
 プラッタを一枚ずつ取り外し、全てに傷を付ける作業をするとなれば多くの時間を要しますし、プラッタそのものが硬いため容易ではありません。
 また、電動式ドリルなどの工具で破壊する方もいらっしゃるようですが、プラッタの位置に合わせて、ブレることなく安全に穿孔するのは難しく、部分的に破壊された断片が飛んでくるおそれや、プラッタの中央にある非常に硬いスピンドル軸にドリルの刃が当たった場合は刃が負けて折れ、刃が作業者や周囲に飛んできてしまうおそれがあるなど非常に危険です。

 記録媒体(ストレージ)専用の破壊装置である「ストレージパンチャー」を使用すれば、プラッタの位置に確実に、同時に4つの穴が空けられ、安全に破壊できます。

破壊後の穴は全てのプラッタを通っていますか

 HDDはカバーに覆われており、特に裏面には取り外すためのネジはありませんので、全てのプラッタに穴が開いていることを確認するには、破壊後に全てのプラッタを取り外して一枚ずつ確認する必要がありそうです。
 ですが、専用の破壊装置「ストレージパンチャー」を使って破壊した場合は、HDDの裏面まで突き抜けるかヒビなどを発生させて変形させる位置まで深く穴を空けるように設計されていますので、全てのプラッタが破壊されたのを確認するのが容易です。

強化ガラスの破片にご注意ください

 主に2.5インチHDDは強化ガラス製のプラッタですから、破壊後には粉々となります。

 上図の右側が、左側の破壊後2.5インチHDDの穴を拡大した写真です。細かいガラス片が大量に出てきているのが見えます。
 専用の破壊装置「ストレージパンチャー」ではHDDをトレイの上に置いて破壊するため、発生した破片はトレイに載っており安全ですが、トレイから外した際に飛び散る可能性がありますのでご注意ください。
 また、鋭利なガラス片ですから手で触ると指に刺さる危険が高いです。破壊作業中は厚手のゴム手袋をするなどして手を保護することをお薦めします。なお、軍手では織り目の隙間にガラス片が入り溜まってしまって逆効果となりかねないため使用しないでください。

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