NASやサーバのHDDにはPC以上に情報の入ったデータがいっぱい!
NAS(Network Attached Storage)を様々なファイル貯蔵庫として活用されている方はとても多くいらっしゃいますが、機器やネットワークを管理されている方以外は、その中身がどのようなものなのか意識されていないかもしれません。
中にはPCと同じようにHDDが入っていますが、NASやサーバは大量のデータを扱う用途のため、容量が大きいHDDが複数個(多い場合は4個など)接続されています。
そのため、PCに記録保存できるよりもずっと多くのファイル等のデータを保管することができます。
運用状況にもよりますが、そこには会社の機密情報や個人情報が多く含まれるのではないでしょうか。
また、サーバには会社内全ての情報や、場合によっては他社の情報も含む、大量のデータを扱っていますので、庫内であるHDDにも大量のデータが入っています。
容量の大きなNASやサーバのHDDから情報漏えいした場合、PCよりも甚大な被害が発生するかも……そんな危険な状態を放置してしまっていませんか?
NASを廃棄や売却・転用する際には、中のHDDを「記録されているデータを読み取れない状態にする」処理を、正しく行わなければなりません。
NASの中のデータを正しく消去/破壊処理する方法
方法は3つあります。
- 記録されている円盤(プラッタ)を物理的に破壊する
- 全ての記録域にゼロなどのデータを上書きして書き換える
- 強力な磁気を当てて記録円盤(プラッタ)の磁界を変化させる
1つめは「ストレージパンチャー」物理破壊装置を使ってプラッタに穴を貫通させ、データを読めない状態にします。
HDDの上面からプラッタに穴を空けた状態 | HDDのカバーを外してプラッタが見える状態 |
穴を空けてしまえば、誰が見ても「もう使えない」ことが簡単に分かります。
精密機器であるHDDは、わずかな振動やホコリの混入でも壊れてしまうほどデリケートです。このように穴が空き、記録面が歪んでしまったならどうしようもありません。
処理をした当事者でなくても後から見ただけで処理できていることが分かるので安心でき、広くお勧めできる方法です。
短時間で処理が行えるのも特長ですが、再利用はできなくなりますので、売却や転用を目的とする場合には向きません。
2つめは「JetEraser」データ消去装置を使って、記録されたデータを上書きする方法です。
再利用や売却・転用するなら情報漏えいを防ぐため「データ消去」をする必要があります。
データ消去は、記録されているデータを「上書き」することで復元できなくする方法です。
例えばゼロ(0x00)を書いて、記録域を全てゼロで埋めてしまいます。
意味のないランダムデータを生成し、上書きしていく方法もあります。いずれにしても、元に記録されていたデータは書き換わってしまって読めなくなります。
他の方法と比べて欠点があるとすれば、全ての領域を上書きする時間が、容量の分だけ掛かってしまう事です。データ消去専用装置を使っても1回の上書きで1TBは2時間、8TBだと16時間のように長い時間を要するため、処理したいHDDが多い場合や容量が大きいほど作業時間が多く必要となります。
HDE-GT (タッチパネル操作式データ消去装置) | HDC-MT-SAS (ボタン操作式データ消去装置) |
データが記録されている状態のダンプ表示 データが様々な数値で記録 | データを上書きした後のダンプ表示 ゼロで書き換えられている |
3つめは「磁気データ消去機」で磁界ごとデータを消してしまう方法です。
HDDはデータ記録を磁気で行っています。プラッタの上に磁力を帯びる磁性体があり、記録はN極とS極を入れ替えてデータにしています。
そのため、外から強力な磁界を発生させて、全てN極かS極にしてしまえばデータが消えます。
この方法は短時間で処理が完了しますが、見た目が変化しないためデータが消えているのを判断できないことと、データだけでなくコンピュータ端末で使用するのに必要な制御情報までも消えてしまい、二度と使用できなく(再利用不可)なりますので注意を要します。
※SSDやUSBメモリ等の磁気記録ではない媒体の消去はできません
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